そもそもコーヒー器具の中でもコーノ式と呼ばれるゆえんは、その商品を開発・製造した会社「珈琲サイフォン株式会社」の社長さんが「河野」さんだからです。社名が表すとおり大正14年、日本で初めてガラス製のコーヒーサイフォンを開発したのが初代社長河野淋さんです。
九州帝国大学の医学部生だった河野淋さんは、大正8年シンガポールに渡り海外委託生として医薬品の販売をしておりました。コーヒーが大好きな彼はシンガポールで出されるコーヒーの味が気に入りませんでした。そこで身の回りにあったフラスコなどを利用して、おいしいコーヒーを淹れる器具の研究を始めたのです。
帰国後は医療用品の海外輸出を手掛けるとともに、ようやくできあがった「コーヒーサイフォン」の販売を始めたのでした。

ところで、「サイフォン」というコーヒー器具の名前は聞いたことあるが、実際に「サイフォン」で淹れたコーヒーをお召し上がりになられた方や「サイフォン」の扱い方をご存じの方はかなり少ないのではと思います。 そこで「サイフォン」の原理をご説明いたします。
1、フラスコの中で温められ膨張した水蒸気は、ロートとゴム管で密封されているため行き場をなくし、フラスコのお湯をロートに押し上げます。

2、ロートに押しあげられたお湯はコーヒーの粉と混ざります。ここでお湯とコーヒーの粉をよく混ぜ攪拌し、1品ほど待ちます。

3、1分後、アルコールランプの火を止めると、急にフラスコの中の温度が下がるため、膨張していた水蒸気が縮小し、ロートのコーヒーを吸引する力が働きます。

4、そうするとコーヒーの粉はロートのろ過器でろ過をされ、コーヒーの液体だけがフラスコに落ちてきます。
このようにサイフォンとは化学の原理を応用したコーヒー抽出器具なのです。
よって医療器具の販売に携わっていた河野淋さんには、うってつけのコーヒー器具でありまさに必然の中でうまれたコーヒー器具なのです。